さとりさんと共にこのブログを運営させて頂きます鳥おんです。
アニメレビューを中心にさまざまな事柄を書いていく予定です。
自分は古いアニメから最近のアニメまで幅広くやって行こうと思います。
さとりさんとはレビューの書き方や視点が違うかもしれませんがご容赦願います(笑)
最初の作品は先日発売された「おおかみこどもの雨と雪」のBD版を買ったのでレビューしていきます。
【概要】
「時をかける少女」や「サマーウォーズ」を手がけた細田守監督の最新作品。
大学生の花とおおかみおとこの彼の間に生まれた子2人と花が大自然の中で生きてゆく、家族愛を中心とした2012年公開のオリジナル長編劇場アニメーション。
この作品は今までの「時かけ」や「サマーウォーズ」の視聴対象が高校生までを中心だったのに対して、この映画は大学生から小さな子供を持つ30代位までを想定していると感じます。
【母は強し！！(肉体的にも)】
物語の流れとして、
早くに彼が物語から退場し、母親の花が一人で人間であり狼である雪と雨を育てていく苦労が描かれていきます。
家の中で大暴れする子供達、夜泣きが止まず隣人に怒鳴り込まれたり、泣き止むまで夜中外であやすなど、子供を持つ親には共感が大きいのではないでしょうか。
中盤から都会でおおかみこどもを育てるのは無理と判断する花。
誰も住んでいない様な山奥で親子3人での生活を始めますが、ここでも田舎暮らしをやったことの無花にとっては苦労の連続ですが周りの人間の協力を得て生活を安定させていきます。
やがて雪と雨が心身ともに成長していき人間として生きていくか、狼として自然に帰るかの選択をしていくようになる・・・。
こういった流れです。
感想として、雪と雨が常に対象の位置に居たのが面白かったですね。
元気いっぱいに動く雪と物静かな雨。
大自然の山を気に入り動物を追っかける雪と小さな虫すら怖がり都会に帰りたがる雨。
人間として生きて行きたい雪と狼として生きて行きたい雨。
この成長とともに起こる心変わりと姉弟の意識の食い違いの展開は上手いと感じました。
母親の花の印象は常にとても強いという感じ。むしろ強すぎる(笑)
子供を育てていく苦労は描写として何度も出て来ますが、挫折するシーンは一度も無く結局は周りの助けもあって、うまくいってしまうパターン。
どこか1シーンで良いから子育てや生活の苦労から挫折し、雪や雨、周りの人間に助けられるところがあれば親子の描写も深くなったんじゃないかなーという印象。
あとは崖から落ちたり、雪山を頭から滑ったりしているのに大した怪我も無く、畑を朝から晩まで耕かせられる肉体の強さも驚愕(笑)
そういった精神的にも体力的にも何でも出来てしまう完璧な女性な所はアニメしすぎちゃって人間味が無くなってるかと感じます。
育児から子の巣立ちまでという「親」としての役割を2時間で描写したこのアニメ。
リアリティを追求したらツッコミ所はもちろんあるけれど、人間としての巣立ちも動物としての巣立ちも綺麗にまとめるならこういう流れが一番なのかな。
アニメだから出来る描写を上手く使えたかと感じます。
絵についてはギリギリ及第点といった所。
元々、細田監督の前2つも作画に拘ってたようでは無いので良いのですが、せっかく山の自然のの描写がたくさん有るんだからもののけ姫ばりの背景の美しさは見せて欲しかった。
序盤、街中のモブのCGの安っぽい動きも気になった所。
声の配役は個人的にはかなり良いと思ってます。
メインに女優や俳優さん、子役の子で脇に本職の声優さんというよくある「一般向けの声の配役」ではあるのですが、メインの方々の演技も違和感なく聞けて物語に集中できる上手さでした。
菅原文太の演技もシブくていいものでした！
【オススメシーン】
雪が同級生の男の子に半獣化して怪我をさせてしまい、迎えに来た花の車の中で雪が大泣きしてしまうシーン。
狼にならないという約束を破ってしまったこと、同級生に怪我をさせてしまったことの罪悪感。学校に行けなくなり、家が無くなってしまうんじゃないかと言う心配。
そういった純粋に子供らしい思いが出た良い泣きシーンでした。
子供の大泣きのシーンに弱い自分・・・。
【総評】
大きなアクションシーンがあるわけでもなく、異性との恋愛劇を深く描くわけでもないこの作品。
ある程度のシナリオの山場はあれど終盤まで淡々と花の親としの心境の描写や子供たちの自立していく過程が多いので、ここに感情が入り込めないと面白さが分からないかもしれません。
自分は親の視点から子供の気持ちを知るアニメに弱いので、この作品も泣きはせずとも心に残るものがありました。
父親にはなれても、決して母親には慣れないのであくまでフィクションとしてしか見れないですが、親になったあと見直すと評価も大きく変わっているでしょう。
－オススメ度は10点満点中6点ー
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